法の支配

みなさんも 法の支配  という言葉を何度も何度も聞かれたと思います。

それは、対義語である 人の支配  独裁者からの支配を抑制するためにできた対抗策であり近代民主主義の根幹ともなっています。

国家権力の暴走 が、独裁者の出現により一気に加速していく。そんな恐ろしい事態を経験してしまった反省からくるのが、法の支配 という対抗策でした。

 

しかし、今 この 法の支配 を逸脱しまたは、強引な手法で法律を成立させる動きの真っ只中に私たちはいます。

 

戦後、なぜあの時 独裁者達や戦争賛美の軍国主義者達を止められなかったのか?と私は、父母に質問した事があります。でも今私達もその時を生きていると感じます。

 

現政権が、先の安倍晋三が、桜を見る会や森友問題の国会質疑で虚偽の答弁を重ねて来たことは明らかで、菅首相は  誠実に答弁する と答弁したその舌の根も乾かぬうちに  答えは差し控える と答弁。もちろんその真意は、自民党内閣の崩壊に繋がる違法行為が常態化しているからに他ならず、 安倍晋三の国会招致は 国会でお決めになる事です。と、議席の数の力で国会を国民を愚弄する発言を繰り返している。(朝日新聞 国分高史編集委員)

もはや現政権下では、国家権力者による暴挙にいとまがない。

安倍内閣による 秘密保護法や共謀罪、戦争法の強行は目に余るものです。

特に安倍政権の改憲を狙う動きはなりふり構わぬ悪政そのものです。

コロナ禍の渦中で、あまり知られてはいないものの 教科書採用について今年異変が起きた。

 

2014年に始まった 安倍政権による国民の価値観と歴史認識を書き換えるべくこども教育に強く介入してきている。道徳の教科化や教科書検定強化に顕著です。

改憲運動の一翼を持つ(新しい歴史教科書をつくる会)の教科書を採択する動きです。

元々、改憲団体の 日本会議や 教科書議連が2000年に教育委員会の責任で採択する という文部省通達を出させている。

教育現場の意見を取り入れるとあまりに戦争賛美 責任放棄の右傾化思想賛美の教科書に採用されないと危惧した安倍は、保守系首長の指名権限により教育委員会が採択できるよう仕組んだもので、

その旗振り役となった 教科書議連の初代事務局長が、まさしく安倍晋三であった。

つくる会系教科書の出版社は、フジサンケイグループの 育鵬社や つくる会のメンバーの 藤岡氏らの 自由社であり保守系首長任命の教育委員会採択の都道府県で 市民参加型の採択審議会の意見を無視して採択されていた。

 

しかし、今年度の採択状況は 育鵬社は激減。盗用などを繰り返した自由社は検定不合格となった。

保護者や市民、教員ら現場の意見も加味される図書審議会の意見を無視し教育委員会が独断的に採択する批判が強まり、また、安倍晋三らの改憲への危機感から首長と教育委員会の関係をめぐる地教行法改正でも、反対運動が首長の介入に歯止めをかけた点も大きい。

が、中味として 安倍内閣の 閣議決定その他の方法により示された政府の統一的な見解  を記述するなど検定基準の改定を2014年に行なっており

育鵬社と他の出版社の差がなくなって来ている  面も出て来ている。

(教科書net21事務局長 鈴木敏夫)

 

安倍内閣による 法の支配を無視したやり方や国家権力の暴走は、ありとあらゆる私たちの生活の隅々まで その手を伸ばそうとして来ています。

菅内閣も、まさしくその先を行く政権に他ならず私たち市民が求める民主主義的社会とは相入れない国家権力者による独裁政治へ邁進する動きが出ています。

 

教科書採用に現れた つくる会系教科書の排除は、ひとつの市民活動の成果であるものの、記載内容の強制という戦前の軍国主義政権下と変わらない施策を行うなど密かにそしてじわじわと確実に締め付けを強めています。

 

香港の民衆が、街頭デモが規制され意見陳述すら難しくなってしまった現状に非常に憂うべきことだと思います。

私たち市民が、法の支配の基本的な考え方である 国家や独裁者の暴走を許さない 民主主義の堅持の為 何をなすべきか、しっかりと批判的にみていく必要があると思います。

新型コロナウイルス対策で喘ぐ私たち市民に、それでも更に強権的社会支配を強める動きが出ています。

 

鈴木敏夫

実際に授業を担う教員の声を反映する事は、その専門性を生かし、より良い授業を実現する近道だ。OECD加盟国で、制度的に教科書採用に教員の意見を反映させていないのは日本だけである。