雪降る年の瀬に

 今年も最終日になりまたひとつ年を越すのだと呑気に過ごしているところです。

 先日、夜中に目を覚ましてTVの電気がついたまま寝ていたことに気付き電源を切ろうとしました。が、そこにはショッキングな番組が流れていました。

 地元BSS山陰放送が、深夜2時頃に流した番組。やや以前の北海道放送作成の番組で、『ヤジと民主主義 小さな自由が排除された先に』という第57回ギャラクシー賞の報道活動部門の優秀賞を受賞したものでした。今でもYouTubeで検索すれば、北海道放送の公式YouTubeページから視聴できます。ぜひご覧になってみてください。2020年4月に放送されたもののようです。

 内容は、札幌市に選挙応援の為、街頭での応援演説に訪れた安倍晋三前首相に一人の青年が『安倍やめろ!』と叫んだところから始まります。ソーシャルワーカーであり生活困難者の支援をしている彼は、普段の支援の業務の中から安倍自民党が、いかに非人道的な政治を進めてきたかが見えてきたのだそうです。

 自分の意思を伝える方法がなく、まさに選挙応援演説に来た安倍首相に「安倍やめろ」と叫んだそうです。彼は特定の政党や活動をしておらず個人としてヤジを飛ばしたそうです。

 そこに20人以上配備されていた付近の私服警官達が掴みかかり、遠方に排除されました。友人が一部始終を撮影しており暴力的に排除された様子が見て取れます。

 また、別の場所にいた若い女性が増税反対と叫んだところ同じ様に排除された様子がメディアの映像から見て取れます。

 別の年金受給されている女性が、年金政策への疑問を書いたプラカードを自分の前に出そうとしたところ同じ様に私服警官達に排除されていきます。

 同じ様なことは埼玉でも起きていたようで、慶応義塾大学の学生が、やはり自民党の幹部による街頭演説会場付近でプラカードを持ってヤジを飛ばしたところベルトを引きちぎられ排除されたようです。

札幌では、9名が排除されたとのことで、その後ソーシャルワーカーの彼は、この排除を違法な北海道警察の行為として刑事告訴します。また、国家賠償訴訟も起こすことで社会問題として追及します。

 支持者たちによるデモには、道警察による違法なデモ行進者の撮影などが行われ、弁護士による警官への違法行為への抗議がなされますが、警官は、上からの指示で正当な業務だと続行されていたようです。

 この一連の言論弾圧について番組で違法性の真偽を日大や法学者、また元道警察の管理者だった人たちに取材を重ねて行きます。

 戦前に治安維持法により特高(特別高等警察)が、公職選挙の選挙活動を弁士中止という名の弾圧から国家統制を強め戦時体制へ突入してきた我が国の過去の歴史的流れと対比していきます。

 札幌での裁判は、検察の不起訴というまったく不法な状況となり道警察のトップは、議会の追及にも現場判断であり正当な事象であったと半年以上回答を引き伸ばした上で答弁した。

 この番組の取材や実際の映像や本人たちの声や意図、また法律の専門家の意見を含めてみれば、違法性は警察にあると言わざるを得ない。また、単に一警察の話ではなく各地で起きている言論統制は、自民党国家権力の暴走の一部だという事がわかる。ちなみに、安倍晋三の関与が疑われた赤木さんの自殺による森友事件や桜を見る会の違法性など検察の不起訴に処した検察庁のトップは、安倍が引き上げた人間でありその後道警への転籍など疑いは更に深くなる。

 私たちの日本は、法治国家ではなかったか?警察が言論統制を違法に行うことが法治国家なのか?

 北海道放送が、政治的な圧力を恐れずこの番組を作成されたことやBSSが深夜帯とはいえ放送した事に一筋の希望を感じないではいられない。

 ただし、BSSの番組は、変更になり放送されない場合もあるとのコメント付きであったことを付け加えたい。

 マスメディアの社会的責任を取ろうとされている姿勢に拍手を送りたいと思います。

 

内容的誤解や一部事実の誤記があるかもしれません。あれば訂正します。ご指摘ください。