演劇 旅立つ家族を観て

米子市で公演された 文化座の 旅立つ家族。

いろいろな思いが今も駆け巡ります。


観劇のあと イジュンソプについて調べてみたくなりました。簡単ですが調べてみると彼は韓国でも非常に著名な画家である事がわかりました。
私も韓国には、仕事や国際交流員として行ったことがありますが、全く知らない存在でした。
基本的に韓国の方や北朝鮮の方々に親近感があり反日感情が高まったとしても国としてではなく、一市民としての友好的な感情は絶えることはありません。イジュンソプの人生が国や時代に翻弄されていく様は、改めて今の私と韓国や北朝鮮の方々立場や感情面を考える時、理解を深める上で大きな影響がありました。
改めて日本軍国主義がもたらした弊害や罪悪を考えるべきだし、繰り返してはいけないと心に刻む事になります。長年にわたり支配された朝鮮半島の人々が、民族としてのアイデンティティを大切にされている事に今更ながら気づいたところです。まさしく 白牛がその象徴でありイジュンソプは、祖国朝鮮半島の大地と民族を大切にしようとしていたことがわかります。また、同じ民族同士の戦争という悲惨な国家の争いに市民は、多くの犠牲を払う事となりました。主義主張が異なっても、民族として一市民として立ち止まっていたイジュンソプ。反面、民族や国家を超えた人を愛し続けながら失意のなかで死を選んでしまった彼。今でも彼の朝鮮民族アイデンティティの象徴として彼の絵を支持する方々がいる事は、今の日本と韓国や北朝鮮の関係を考える上で大切な意味があると思いました。
国や主義主張を超えた人に対する愛を改めて大切だと思えてきます。
昨今の私をめぐる環境は、人間不信に陥りそうな激烈な変化をもたらしています。
ある意味この演劇を観た事で、個別の人の属性を超えた、人に対する愛情を改めて持つことができたと感じています。