楢山節

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みなさんは、楢山節をご存知ですか?

久々に 楢山節考の演劇が米子市で上演され観てきました。またもや新型コロナウイルスの影響を受け半年以上上演が延期され 待ちに待った上演でした。

 

みなさんご存知かと思いますが、楢山節に歌われる、姥捨の話しを歌にして伝えているお話しです。

70になると山間の山村の小さな集落では口減らしに、山に捨てられた悲しい話しです。

誰もがそのしきたりを受け入れられる訳も無く、もがき苦しむお爺さん。

孫たちの為にも早く行く事を決意するお婆さん。山には神がいて早く行くと喜ばれる。行く時に白い雪が降ると幸運だ。

そう歌われています。白い雪は暖かく包んでくれて幸運だ。もちろん早く眠るように亡くなる事ができるからです。

悲しい話しだと思います。観ている自分がまた別の思いを感じ始めました。

死を意識せざるを得ないこの話が進むにつれて、残された家族もお婆さんの死を前に自分もいずれそうなるのだと気づきます。楢山山中に進むにつれてお婆さんを連れて行く息子は、惨たらしい遺体の転がるところにやってきます。

楢山節には振り返ってはいけないと歌われます。

前を向いて進むしかない。自分もいずれ同じ道を進む。ならば生きている今を大切にする事しかない。

そう語りかけているように思えます。

 

今の私たちは、病気になっても医療にお世話になり生きながらえることができるかもしれません。しかし、私の目の前には、生きることに希望を持てなくなられた高齢者の方々がいらっしゃいます。

 

死を前にする事で今生きることの大切さや有り難さを思い出す事ができました。

 

以前にも書きましたが、実は明日は誰にも約束されてはいない事を忘れてしまいます。

 

この舞台を観る事で、私の生きる今を大切にしなければと思い起こしました。

 

久々に心揺さぶられる日でした。

みなさんは、心揺さぶられる経験をされていますか?