Tokyo Forum 2020

昨年12月に東京大学で開催されたTokyo Forum 2020 は「人新世における人類共有の地球環境、グローバル・コモンズの管理責任」に焦点を当てたフォーラムであった。

 

提言として 五神 真 東京大学総長の発信は、やはり現在起きているコロナ禍や地球環境の崩壊などの原因として大量生産大量消費社会を進める資本主義社会の限界が語られており、韓国からはチェ・テウォン(韓国SKグループ会長)の発言として企業の価値や社会規範.企業価値として地球環境保護に取り組む事の評価を上げていた。

まさしくこれまでは、企業利益の最大化が企業の目指すところであり、その為には地球環境に対する負荷などに目を向けない状態であった。しかし、2030年には、地球環境が自分で環境負荷を自然と解消できる能力を超え、取り返しのつかない環境破壊が進むと言われている。現在でも、一年で地球環境に対する負荷を自然が取り返す能力を8月頭には使いきり そのあとは自然には回復できない負荷をかけているという。

企業利益の最大化が企業価値であり 私たちは、現在も自分の在籍する企業や団体の利益を最大化することに奔走させられている。

しかし、もうあと10年もしないうちに地球は破壊された環境が自然回帰できないところまで来ている。

海岸線を歩いていると、まさしくそこにはプラスチックゴミが打ち上げられ惨たらしい惨状を見せてくれる。

私たちの住む街中で投げ捨てられたペットボトルが川に転がり落ち、川を流れて海に流されている。発泡スチロールが粉々になり川辺に張り付きそしてまた川から海に流されている。

鳥はプラスチックゴミが割れて小さくなった破片をエサと間違えて体内に取り込む。そしてエサを取れなくなり弱っていく。魚も同じ事が起きている。細粒化したプラスチックから可塑剤が海水に溶け出し微生物への影響が出始めている。

人新世の資本論でも語られているらしい。問題は、ゴミ問題だけでなく温暖化や気候変動もこれまでにない変化を見せ始めた。

 海岸線を歩く事で以前と違う環境の変化に否応無く出会う。

にも関わらず、日々の生活の中では、欲望を掻き立てられ、新たな製品やサービスを得ることが幸せだと思う事が起きている。仕事でも未だに企業利益の最大化こそが最高の目標となっている。

私たちの日々のひとつひとつの事柄を、経済の拡大を目指す事が幸せに繋がるという資本主義の神話から切り離し、見直す事こそが今大至急求められていると思う。

 菅首相や二階幹事長が、国民に背を向け自民党の政権維持や自らの権力保持に邁進するあの態度や発言に私たちはいつまでも付き合っている場合ではないと思う。野党の政治家達が、このコロナ禍にあって政権奪取や自民党批判にとどまらずパラダイム転換を果たしていくことを願う。

 また政治家任せでなく私たち自身が、変わる事が必要だと今日も海岸線を歩いていて感じた。