雨の日曜日に思う。
2007年あたりで非常に話題になった
ハーバード大学のMichael Sandel prof.の北京での特別講義を今更読み返してみました。
JUSTICE 正義!
今話題の中国
もちろん新型コロナウイルスの事ですが、
実は、中国の経済発展は私たちの想像をはるかに超える発展が実現されています。
2007年当時もものすごい勢いで経済発展を成し遂げています。
街自体が勢いよく発展し東京ですら見劣りする新しい綺麗で整備された街並みが、中国各地に出現しています。2000年以前のような内陸部の農村部をイメージしている方は多いと思いますが、現実は遥かに整備されて綺麗で新しい街並みが内陸部にもたくさん出現しています。
日本の地方とは比べようもないレベルとなっています。
その発展途上の中国は北京でのMichael氏の講義は、市場経済と正義です。
私は今福祉の仕事をしていますが、介護保険のサービスも市場原理を投入して競い合うことで生き残りをかけて質を高めることが制度設計されています。
介護保険だけでなくありとあらゆる分野で市場原理を投入して社会を動かすように設計され私たちはその中で働き続けています。
中国も共産主義政権でありながら市場原理の投入で目覚ましい経済的発展をして市民の多くが生活の豊かさを享受できるようになってきました。
Michael氏の展開は、市場原理主義の良さを誰もが良いと感じているが、自由市場経済が何でも良いととらわれて何でも市場原理を投入していった為に、私たちが本来大切にしなければいけないものまでお金でなんでも買えてしまう事の問題点をあぶり出し、私たち市民が意見を出し合い そこで意見の対立があってもお互いの人間性を尊重しながら冷静に議論をして民主的な方向性を見出していく。そんな参加型の講義が展開されていきます。
まさに今の日本が失った大切なものを取り返す基本的なやり方がそこにあると感じさせるものでした。
雪が降って雪かきのスコップが必要になる
店主は値段を吊り上げて売っていいのか?
災害があり水道が寸断。水を高値で売るのは許されるのか?
需要と供給の原則からすれば 構わない
高値ならば市場原理が働き儲けたい人が遠方からでも水を運びたくさん供給される
では、医療を緊急に必要とする人がいるが貧乏
ちょっと風邪ひいてしんどい金持ちが高値で診療を優先して受けるのはいいのか?
みなさんどう思いますか?
先日の中国の旧正月に故郷へ帰る電車はなかなかチケットが取れないそうですが、ダフ屋が並んで金持ちはそれを買って電車に乗れるが貧乏だとチケットがとれず乗れない
この状況でも自由市場原理に任せて それは正義だと感じられますか?
Michael氏は言います。
お金によって 誰もが故郷に帰る権利を剥奪されてしまっていると
市場原理により勤労意欲を引き出す事は良い事?だと思われますよね?
では、オーストリアの実際にあったお話しの議論へ
ある小さな村で原発のゴミ処分場建設が検討されます。国内でのなかなか決まらない処分場建設用地に、村民は受け入れを半数以上が考えていたそうです。説明会で その後に村民に報酬を出すと伝えたそうです。
その結果、村民はどういう結論を出したと思いますか?
詳しく調査された結果が出ています。
答えは、ノーがたくさん増えたという事です。
つまり、村民は国民的課題として受け入れざるを得ないと考えていたが、一般市場経済の取り引きとして買収されるならノーだと。
何でもお金で解決すること
市場価値だけで判断することでは、本来の私たちの善き社会はありえない。
効率とGDPの吊り上げだけをすれば善き社会が来ると間違って思い始めていたことに気づかされます。
新型コロナウイルスの嵐が吹き荒れる今。
社会の再建に向けてパラダイム転換
すべき機会がやってきていると
ハーバード大学のMichael氏の講義を読みながら感じました。
JUSTICE
正義
決して市場原理をなんでも取り入れて判断しなくて良いわけではなく、私たち市民が意見の対立があってもお互いに尊重しながら議論していく事が大切だと改めて思います。